水谷 優美(Yumi Mizutani)

大 学
多摩美術大学
所 属
大学院美術研究科 デザイン専攻 建築・環境デザイン研究領域
留学先
オスロ国立芸術大学/ノルウェー・オスロ
この大学を留学先に選んだ理由を教えてください。
高校時代から北欧デザインに興味があり、いつか北欧に留学したいという漠然とした思いがありました。
大学で建築やランドスケープを学ぶうちに、自然が豊かな北欧、特に水辺のランドスケープが発展しているノルウェーで実際に生活し、日々の暮らしと空間デザインとの関わりをより深く知りたいと強く思い留学を決めました。
また、オスロ国立芸術大学はデザインだけでなく、アート、演劇などさまざまさな領域の学生が各国から集まり、実践的な制作・表現に取り組みます。自分の考え方や設計の幅を広げるには、この刺激的な環境が一番だと思い選びました。
どんな学びがありましたか?
大学での授業は個人の感覚的なものを重視しており、専門分野を伸ばすための新たな視点獲得や感性を磨くための授業が多かったです。一つのものの関係性や感覚をじっくり分析し表現するプロセスはとても新鮮で、設計において新たな引き出しとなりました。
また、同級生が設計を考える際に、木や金属を用いた大きなモックアップを作る姿も印象的でした。私はスケッチや紙の簡易模型で考えることが多いですが、これは日本人特有の折り紙文化だと気が付きました。積極的に手を動かし実際の素材を用いて検討することも学びの一つでした。
留学中、最も印象に残った出来事はありますか?エピソードを教えてください
異なる食文化を知れたことは印象深かったです。
オスロは物価が非常に高く、特に外食は高額なので基本的に自炊をしていました。
スーパーで買える魚はサーモンか白身魚の2種類。初めはノルウェー語の表記にも慣れず苦労しました。そんな中、友人と一緒に料理することは楽しみの一つでした。
ベジタリアンの友人に合わせた食材を選んだり、ノルウェーだけでなくドイツやリトアニアなどそれぞれの母国料理を食べたりと、食を通した交流は毎回楽しく新鮮で、同時にたくさんの学びがありました。
寿司や餃子、炊き込みご飯などの日本食を一緒に作ることもあり、日本の食文化に興味を持ってもらえたことはとても嬉しかったです。
将来の夢を教えてください。
私は将来、土地の個性と共存していく建築を設計したいです。
敷地のことをよく知り、その場所や人に長く愛される空間を作ることを目標にしています。今回の留学は、自然の中で空間がどう生かされ、使われ続けるのかを体感するとても良い機会でした。
またオスロの大学では、さまざまな背景を持った教授やクラスメイトと共にプロジェクトを進めていく難しさと、それがうまくいった時の喜びや達成感を何度も味わいました。
こうした経験から、将来も日本のみならず海外での設計にも挑戦し、多様な文化の人との交流を続けていきたいです。
これから海外留学を考えている学生に向けて一言
私は英語がすごく得意な訳ではなく、学部時代には留学を諦めていました。
しかしどうしても想いを捨てきれず、大学院進学後、家族や友人の後押しもあり目標を果たすことができました。
語学面や経済面など課題も多い中、デザインフィルの奨学金をいただけたことは私の挑戦の大きな支えとなりました。
オスロでの5ヵ月は毎日新鮮で、自然豊かな暮らしで自分を見つめ直し、今まで見られなかったたくさんの景色に気が付くようになりました。自分の専門分野だけでなく、人として大きく成長した日々だったと思います。留学を達成できて本当に良かったです。
今後留学を考えている人にも、まずは挑戦を怖がらず、立ち上がってみてほしいです。

鷲山 響(Hibiki Washiyama)

大 学
多摩美術大学
所 属
美術学部 生産デザイン学科 プロダクトデザイン専攻
留学先
ベルリン芸術大学/ドイツ・ベルリン
この大学を留学先に選んだ理由を教えてください。
木製玩具デザイナーを志す私は、日本の素朴で機能美を重んじる玩具に、ドイツ特有の色彩豊かな木工デザインを融合させたいと考え、ベルリン芸術大学への留学を希望しました。幼少期の木製玩具の体験や、グリムス社の玩具に感銘を受け、色彩が子どもの想像力や創作意欲を育む点に魅力を感じました。これまでの制作や国際協働プロジェクトを通じて学んできた素材研究と異文化融合の可能性を留学ではさらに膨らませ、ドイツの色彩感覚と価値観を実践的に学ぶことで、日本の丁寧なものづくりと融合させ、新たなプロダクトを制作する足がかりにするために留学を希望しました。
どんな学びがありましたか?
留学先では、学びたいと考えていた色使いについて実践的に学ぶことができました。参加したクラス課題では、磁器素材を用いてテーブルウェアをデザインしました。磁器特有の白さを生かしながら、色によって機能性を示すことを試みました。素材の白との調和を考慮し、使用する色の明度を揃え、白に近い色味を選ぶことで、食器全体に統一感を持たせました。色の決定にあたっては教授から多くの助言を受け、単なる色の組み合わせだけでなく、明度差のわずかな調整が与える印象の違いについても、レンダリング画像を比較しながら具体的に学びました。
留学中、最も印象に残った出来事はありますか?エピソードを教えてください
留学中最も印象に残っているのは現地学生たちの積極性です。授業や学生のプレゼンテーションの場では教授だけでなく学生たちも質問や意見を積極的に投げかけ、意見交換が活発に行われていました。教授だけでなく学生の発言もあることでさまざまな立場からの意見が集まり、内容の深みが増します。
また、積極的な発言は相手に自分の興味を示し、より深い内容の説明を受けることで理解度が深まります。現地の学生たちの積極的な姿勢から自分の学びに対する姿勢も影響を受けました。
将来の夢を教えてください。
将来の目標は、子どもの教育に関わるプロダクトをデザインすることです。今回の留学では、ドイツのデザインにおける色彩の用い方を実践的に学ぶとともに、感銘を受けたグリムス社の玩具や木工工房を見学し、ドイツの製品づくりの技術や意匠を間近に感じることができました。さらに、現地での生活を通して、玩具に限らず子どもたちの生活や成長を支える多様なプロダクトの存在にも気づきました。これらの学びを生かし、子どもの教育に幅広く関わるプロダクトのデザインに取り組んでいきたいと考えています。
これから海外留学を考えている学生に向けて一言
6ヵ月という短い期間ではありましたが、実際に海外で生活をするという経験は想像よりも遥かに多くの気づきや学びを私に与えてくれました。日本とは異なる土地、異なるルールの中でうまくいかないことも多くありましたが、その中で自分を支えてくれる多くの人の存在にも気づくことができました。この6ヵ月間では大学での学びだけでない、自分自身の成長も得ることができました。海外での挑戦は、必ず自分自身の糧となり、新たな視野と価値観をもたらしてくれます。その経験をぜひ多くの人に体感してほしいと思います。